2024年から新NISA(以下、NISA)が始まり、以下のような声をよく耳にします。
「NISAのデメリットや注意点が気になって、始める勇気がない」
「なぜNISAはやめた方がいいの?」
「NISAはやった方がいいって本当?」
実は、これらはNISA(特につみたて投資枠)制度の誤解から生み出された声が大半です。NISAはデメリットよりもはるかにメリットの方が多いため、おすすめの投資方法です。
今回は、NISAに関して以下の点を解説します。
- やめた方がいいといわれる理由
- 利用するメリット
- 実際に始めるにあたっての注意点
この記事を読めば、NISAに対する不安が解消し、資産形成に向けて一歩踏み出せるでしょう。ぜひ最後まで読み進めてみてください。
NISAはやめた方がいいは誤解
NISAをやめたほうがいいという意見が誤解であることは、データからも明らかといえます。
実際、NISAのつみたて投資枠で購入可能な投資信託銘柄の、直近3年間(2021/5~2024/4)の平均利回りのベスト5は以下のようになっています。
順位 | 投資信託・銘柄名 | 利回り(年率) |
1位 | 日経平均高配当利回り株ファンド | 32.55% |
2位 | iFreeNEXT FANG+インデックス | 26.65% |
3位 | iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | 22.63% |
4位 | iTrustインド株式 | 22.40% |
5位 | 大和住銀DC国内株式ファンド | 22.21% |
また、6位~10位の銘柄も、すべて利回り(年率)は20%以上です。
たとえば、100万円の投資金額を利回り(年率)30%で1年間運用すると、年間で30万円の利益が生まれます。この事実からもNISAをやめた方がよいという声は、誤解であることは明らかでしょう。
NISAの概要をおさらい
ここで、あらためてNISAとはどういう制度であるのか、また、NISAと旧NISAとの違いについて、簡単に概要をおさらいしましょう。
NISAとは
NISAとは、正式名称を「Nippon Individual Savings Account」と呼び、この頭文字が由来となっています。イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAのことを指します。
NISA制度のポイントは、以下の2点です。
- 投資で得られた収益に税金がかからない
- 1人1口座しか開設できない
1点目の投資で得られた収益に税金がかからないという点が、NISAの最大の特徴でありポイントです。通常の投資では、得られた収益に対して20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかってしまいますが、NISAでは税金はかかりません。
そのため、NISAで投資を行なうと収益として手元に残る金額が多くなります。ただし、NISA対象となる投資額は上限があらかじめ決められています。
2点目は、NISAを運用する口座は1人1口座しか開設できないという点です。これはすでにA社という金融機関にNISA口座を開設している場合、別の金融機関であるB社にはNISA口座は開設できないことを指します。なお、年単位での金融機関の変更は可能です。
NISAと旧NISAの違い
次に、現行のNISAと旧NISAの違いについて紹介します。主な違いは下表のとおりです。
項目 | 現行NISA(つみたて成長併用可) | 旧NISA(つみたて一般併用不可) | ||
種類 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | つみたてNISA | 一般NISA |
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 | 40万円 | 120万円 |
非課税限度保有限度額 | 1800万円(枠の再利用が可能)※成長投資枠は内数で1200万円 | 800万円 | 600万円 | |
非課税保有期間 | 無制限 | 20年 | 5年 |
現行NISAの改善ポイントをまとめると以下の通りです。
- つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる
- 保有商品の売却により非課税保有限度額が復活する
- 制度が恒久化された
このように、制度がより使いやすく改良されています。
「NISAはやめたほうがいい」といわれる3つの理由
NISAはやめたほうがいいとされている理由は、以下の3点です。
- 元本割れのリスクがある
- 運用の自由度が高く、難しく感じることがある
- 投資できる金融商品が限られる
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.元本割れのリスクがある
NISAで購入する金融商品は価格が変動し、元本割れ(売却できる価格が買ったときよりも低くなること)になる場合もあります。
せっかく投資したお金が減ってしまうリスクがあることから、やめたほうがいいという意見があるわけです。
しかし、過度に心配する必要はありません。リスクを小さくする手法が長い歴史で証明されています。
具体的には、正しい商品選定と長期間の保有をするだけです。とくに、つみたて投資枠で購入できる商品は、金融庁が厳選した商品になっています。
資産・地域を分散して積立投資を行った場合、保有期間が20年以上になると元本割れする銘柄がないという事実からも、元本割れのリスクは小さいことがわかります。
2.運用の自由度が高く、難しく感じることがある
NISAは旧NISAに比べて投資枠が大きくなったため、投資先の選定や投資判断が難しくなったといわれています。NISAはつみたて投資枠と成長投資枠の併用ができるようになったため、つみたて投資枠と成長投資枠で投資資金をどのように振り分けるかなど、たしかに旧NISAより自分で検討すべき点が増えました。
そのため、投資初心者や多忙な人などは「自分で選択するのは難しそう」「よくわからないし、調べるのも面倒…」だと感じるかもしれません。
しかし、他の投資でも投資先の選定・投資額・売却タイミングは自己判断であるため、NISAが特別デメリットがあるとは言い切れません。
3.投資できる金融商品が限られる
投資できる金融商品が投資信託だけに限られている点も、NISA(つみたて投資枠)はやめたほうがいいといわれる理由の一つです。しかし、つみたて投資枠で投資できる金融商品は、金融庁が厳選した長期的な資産形成に向いている一定の投資信託に限られます。
そのため、投資初心者からすると投資金融商品を安心して選ぶことができるため、むしろメリットといえるでしょう。
また、金融庁が厳選した投資信託は、投資の鉄則である以下の条件を満たしています。
- 長期(20年以上)運用されてきた実績がある
- 積立投資に適している
- ひとつの商品で複数の資産に分散できる
なお、つみたて投資枠で取り扱われている投資信託の金融商品数は、各金融機関によって異なります。ネット証券会社は、取り扱っている金融商品が豊富であるため、NISA口座を開設する金融機関としては、ネット証券会社をおすすめします。
やめたほうがいいと言われるNISAをおすすめする3つの理由
「やめたほうがいい」と言われることもありますが、実際には以下の3つの大きなメリットがあります。
- 運用益が非課税
- 非課税保有期間は無期限
- 運用コストが抑えられる
それぞれ詳しく解説します。
1.運用益が非課税
NISAで得た利益には税金がかかりません。通常、投資から得られる利益には20.315%の税金がかかりますが、NISAならば運用益は非課税となります。
利益がすべて残ることは、非常に大きなメリットといえます。
2.非課税保有期間は無期限
旧NISA(つみたてNISA)では、非課税で保有できる期間は20年でしたが、現行NISAでは、非課税保有期間が無制限になっています。
投資は、長期にわたって継続して行なうほど複利の力も働いて資産が増えていきます。そのため、非課税保有期間が無期限というルールは投資で利益を上げるにあたって、大きなメリットです。
3.運用コストが抑えられる
現行NISAのつみたて投資枠を活用して投資が可能な金融商品は、金融庁があらかじめ定めた条件をクリアした商品のみです。
金融庁が定めた条件には、購入時にかかる手数料がゼロ円・信託報酬(保有時の手数料)が一定金額以下であることが求められているため、運用コストを抑えられるというメリットもあります。
NISAでやめたほうがいいNG行動3選
NISAには多くのメリットがありますが、実際にNISAを活用して投資を行なう際には、以下の3つの注意点があります。
- 収益が下落しても売らない
- 1回に多額の投資を行わない
- ある特定の金融商品に集中投資は行わない
いずれの注意点も、資産運用における王道である「長期」「積立」「分散」という原則に反する行動です。
それぞれの注意点の詳細について、詳しくみていきましょう。
1.収益が下落しても売らない
投資信託の利益は、市場の株式の値動きで変動します。つまり、利益が上がることもあれば、下がることもあるのです。もし利益が下がり続けたり、一気に下がったりした場合、投資家は不安になるかもしれません。「もしかしたら、これからさらに下落するのではないか」と心配になり、投資信託の売却を検討してしまうこともあるでしょう。
しかし、一時的に収益が下がったからといってすぐに売却することはやめましょう。つみたて投資枠で購入できる投資信託は、長期的なスパンで考えると、元本割れする可能性が低いものばかりです。そのため、短期的な変動ですぐ売却せず、できるだけ長期間にわたって保有し続けることが賢明な選択といえるでしょう。
長い目で見れば、投資信託の本来のメリットが発揮されて、利益を得られる可能性が高まります。
2.1回に多額の投資を行わない
ピンポイントのタイミングで一気に多額の投資を行なうこともおすすめできません。タイミングによっては、大きな損失を抱えてしまうリスクがあるからです。
大きな損失を抱えることは、想像よりも精神的につらいものです。そのため、一般の方は1回に多額の金融商品に投資することは控えましょう。
投資を行う際は、自分の資金状況や投資目的に合わせて、適切な金額を分散投資しましょう。また、投資に関する知識を深め、市場動向を注意深く観察しながら、慎重に判断することが大切です。
3.ある特定の金融商品に集中投資は行わない
特定の金融商品に集中して投資を行うことも、避けた方がよいでしょう。投資した金融商品が何らかの理由によって価格が下落してしまったとき、大幅な損失を発生させてしまうためです。
一方、多くの金融商品に分散して投資を行なっておけば、ある特定の金融商品の価格が下落しても他の金融商品で収益をカバーできます。そのため、集中投資は行わずに分散投資を行うよう心掛けしましょう。
NISAにおすすめの証券会社
実際にNISA制度を活用して投資を行なうためには、まず金融機関にNISA口座を開設する必要があります。
手数料の安さや金融商品の種類の多さ、利便性などを考えるとSBI証券・楽天証券がおすすめです。
それぞれ詳しく解説します。
SBI証券
SBI証券は、ネット証券会社大手の企業であり、SBIグループ全体の証券口座開設数は1,200万口座を突破するほどの規模を有しています。国内株式個人取引シェアは業界No1でもあります。
口座で取引するにあたっての大きな特徴は、以下の2点です。
- 国内株式の売買手数料が原則ゼロ円
- 投資信託積立は100円から購入可能
運用コストを抑えられ、また100円から投資信託が購入できるため、投資初心者であっても気軽にNISAを始められます。
口座の開設は、スマホで簡単に手続きが可能です。手続きの流れは、以下の通りです。
- 口座開設の申込み
- 本人確認書類の提出
- 完了通知の受取り
- 初期設定
審査に時間がかかる場合もあります。問題がなければ、早めに申請をすませておきましょう。
楽天証券
楽天証券もSBI証券同様にネット証券会社大手の企業です。新規口座開設数が過去5年累計で業界№1、NISA口座数業界№1、口座開設数1000万口座突破と利用者も多いです。
口座で取引するにあたっての大きな特徴は、以下の3点となります。
- 楽天ポイントで投資信託・国内株式・米国株式の購入が可能
- 国内株式・投資信託の手数料が原則ゼロ円
- 保有する投資信託の残高に応じて毎月ポイント進呈
このように、運用コストも安く楽天ポイントを利用して投資が可能であるため、楽天をよく利用される方にはメリットが多いといえます。
口座の開設は、Web上で手続きが可能です。手続きの流れは、以下の3点です。
- 口座の申込み
- ログイン情報お届け
- 取引開始
楽天カードやポイントとの相性もバツグンです。以下のボタンから詳細をチェックしてみてくださいね。
NISAは正しく利用すれば怖くない!まずははじめてみよう
今回の記事を通して、「NISAをやめたほうがいい」という意見は、NISA制度に対する誤解から生じていることをお伝えしてきました。
実際には、NISAにはデメリットよりもメリットの方が多いため、積極的に活用することをおすすめします。
NISAのメリットは以下の2点です。
- 運用益が非課税である
- 運用コストを抑えられる
ただし、NISAを利用する際は、次の3つの原則に反する行動は避けるべきです。
- 長期投資を心がける
- 積立方式で投資する
- 分散投資を行う
ぜひ本記事を参考に、NISAに対する不安を解消し、将来に向けた資産形成のために有効活用していきましょう。
なお、NISAを始めるなら、業界でもっとも利用されている楽天証券がおすすめです。
資産形成は始める時期が早いほど複利のメリットを享受できるため、以下のリンクからすぐに申請してしまいましょう。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] サンプル記事は、こちらを参照ください […]